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ヒヤリ・ハットは誰が何のために書くのか?看護師がもう一度考えてみた。

こんにちは!

ヒヤッとしたくない

看護師の松田です。

 

医療や介護に携わっていると、患者さんの薬を間違えそうになったり、食事を違う人の所へ運ぼうとしたり、ヒヤッとした経験があると思います。

今回は、そのヒヤリ・ハット(near misses)の報告の仕方、活用について書いていきます。

ヒヤリ・ハットとは、重大な災害事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の発見をいう。

文字通り、「突発的な事象やミスにヒヤリとしたり、ハッとしたりするもの」である。

引用リンクウィキぺディアより

ヒヤリ・ハットの報告書は自ら?それとも上司が書いてと言うのか?

みなさんの職場はヒヤリ・ハットを書く前に誰かに言われて書きますか?

私が勤めていた所は主に2パターンありました。

ヒヤリ・ハットを師長(施設長)か主任、その日のリーダーが直接書いてと言う

1つ目は上司が直接本人に書いてくださいと言うパターンです。

そして上司が報告書を書いてと言うパターンでこのような事例がありました。

ある介護施設に勤務していた時、高齢者が転倒して膝を擦りむいた事が2件あったのですが、報告書は1枚しか提出されませんでした。

どういうことかというと、施設長がお気に入りの職員には「そういうこともあるよ!気にしないで!」だけで終わったのですが、施設長があまり好きではない職員には「報告書を書きなさい!」と言って書かせていたのです。

「私は、よくミスをするし、施設長のお気に入りじゃないから…」

と、その介護士さんは言っていましたが、同じ事があったのに上司の気分次第で報告書を書く施設もありました。

ヒヤリ・ハットを自ら報告し書く

2つ目は自分で報告して書くパターンです。

私の場合はこれが多いのですが、同じようなヒヤリ・ハット事例でも書かない人がいますよね…汗。

こんなこと書いたらいけないかもしれませんが「正直者が馬鹿を見る?」と、思った時期もありました。

報告書は忙しい勤務の中で残業しながら書いていたので、報告する、しないが「自分の判断で決まるのもどうなんだろう?」と思ったこともあります。

(しかし、これを書くことで自分の仕事を振り返ったり、新人や他の職員に「私も気をつけよう!」と思ってもらえると今は考え方が変わってきました)

つまり、ヒヤリ・ハットの報告書は自分から書くと言うのか?それとも他人が書きなさいと言って書くのか?曖昧な所があります。

また、ある施設ではヒヤリ・ハットの報告がなかなか上がってこなかったので、月に1人何件書きなさいと、ノルマ化している所もあるそうです。

トロ

事例はいっぱい出そうですが、それはそれで大変そうですね…

ヒヤリ・ハット報告書を書いてもらうために

そもそも何故ヒヤリ・ハットの報告書を書くのかというと、重大な医療・介護事故を未然に防ぐために書くわけです。

そして、それが上がってこないと言うことは、事故を未然に防ぐ手段を失うことにもなりかねません。

それでは職員がすみやかに報告し、その報告書を活用できる環境はどうようにつくればいいでしょうか?

①ヒヤリ・ハットを報告してもペナルティーがない事を職員に教育する

このようなヒヤリ・ハットを報告すると、周りの職員に知られて恥ずかしいという気持ちになったり、評価が下がるから報告をしたくないと思ってしまうのが普通ですが、報告しても職員に不利益はないことを定期的に知らせることが大切です。

むしろ報告してくれてありがとう!くらいに上司が言ってくれたら部下も報告しやすいですよね。

②報告書は書きやすい書式にして、勤務内で書けるよう時間を確保する

いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように(5W1H)をできるだけ書きやすい書式にすればいいですね。

更に、勤務時間内に書けるよう上司も時間配分を確保してくれると部下は助かります。

(残業してまで、長文を書きたくありませんから!)

③上司は公平な目を持って欲しい

上記にも書きましたが、上司の機嫌次第やお気に入りの度合いで報告書を書くか書かないかを判断しない事も大切です。

公平に仕事内容を判断してくれることで、仕事へのモチベーションは変わってきます。

そして、これが患者さんにも影響してくると私は思います。

(上司から不当な扱いを受け、それを患者さんへ不満をぶつけるのはもってのほかだと思うので…)

④職員同士も責めるような言動はしない

以前職場でヒヤリ・ハットをしてしまった時に凄い勢いで責められたことがあります。

大きな事故には至らず、私も反省していたのですが必要以上に責められると「もう報告したくない!」と思ってしまいますのでこのような事は避けて欲しいと思います。

ニャン太

そういう人に限って自分のミスはごまかすような…

⑤当たり前を当たり前と思わない、隠さない

例えば、忙しいし人がいないからヒヤリ・ハットが起きた…とか、高齢者だからヒヤリ・ハットが起きた、だからしょうがないよ…。

という気持ちが根底にあると、ヒヤリ・ハットの報告が遅れたり隠す可能性があります。

このように報告が遅れると、のちに重大なミスが起こることも知って欲しいので当たり前を当たり前と思わない事も必要です。

⑥報告書が上がったら職員同士で話し合いの場を作る

また、書きっぱなしではなく定期的に事例の検討会や分析も必要です。

危険予知訓練(KYT)を実施しているところもありますよね。

この時間帯に何故ヒヤリ・ハットが多いのか?何故この業務にヒヤリ・ハットが多いのか?を検討する事で今後の改善策が見えてくる可能性があります。

例えば、朝の服薬時間に誤薬が多かったら、夜勤帯の休憩時間(仮眠)はできているのか?基本的な患者さんの確認はできているのか?薬の日付や名前を書く方法は適切か?など色々検討が出来ますし、職員の様々な意見も出てくると思います。

(できたら検討会も病院や施設は参加できない職員も出てくるので、ビデオで撮影をして後で見てもらう方法をとったら更にいいと思います。経験上、書面だけでは理解しにくいところもあるので)

ハインリッヒの法則

事故の予防と聞いて有名な法則でハインリッヒの法則があります。

「ハインリッヒ(H.W.Heinrich)(1980)は、「同一の人間に類似したaccidentが330回起きるとき、そのうち300回は障害を伴わず(no injury)、29回には軽い傷害(minor injury)、1回には重い傷害(major injury)が伴う。

そして、injuryの有無・重軽にかかわらず、すべてのaccidentの背景に、おそらく数千に達すると思われるだけの不安全行動と不安全状態が存在する」と述べています。

さらに、「不安全行動と不安全状態をなくせば、accidentもinjuryもなくせる」と述べています。

※accident→事故・災害 、injury→傷害・ケガ
参考資料 介護職員初任者研修課程テキスト1 介護・福祉サービスの理解 発行者 林 醇 株式会社 日本医療企画 © 平成25年 図はP165を元に筆者が作成

例えば、薬品の場所を突然変えたことによって(不安全状態)、うっかり以前のままであると勘違いした職員(不安全行動)がそのまま間違えて薬品を使用しようとしたら危ないですよね。

薬品の場所が変わった事をみんなに周知させたり、文字の色を変えたり、職員も薬品の名前を確認してから患者さんに使用すれば事故は防げるということです。

このように、事故にはいたらなくても、傷害はなくても、ヒヤッとした事を共有することは非常に重要です。

そのためには何でも相談できる職場の環境も大切ですね。

ヒヤリ・ハットのデータを集めている機関もある

どのように事例を報告したらよいかわからない方は、公益財団法人 日本医療機能評価機構がさまざまな医療事故やヒヤリ・ハットを紹介していますので参考にしてください。

→検索はこちら

ヒヤリ・ハット事例として報告する情報の範囲
※本事業において「医療」とは、医療行為及び関連する全ての過程を含むものとします。

(1)医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例。

(2)誤った医療が実施されたが、患者への影響が認められなかった事例または軽微な処置・治療を要した事例。ただし、軽微な処置・治療とは、消毒、湿布、鎮痛剤投与等とする。

(3)誤った医療が実施されたが、患者への影響が不明な事例。

引用リンク 公益財団法人 日本医療機能評価機構事業の内容、参加方法より

まとめ

いかがでしたか?

ハインリッヒは労働災害の98%は予防できると言っています。

つまり些細なヒヤリ・ハットを見逃さず、報告し改善していくことが大きな事故を防ぐ重要な事であるといえます。

更に、医療や介護の現場では自分だけではなく、患者さんや利用者さんの事も考えて危機管理を行わないといけないので更に大変です。

私は医療や介護の人手不足はここも影響していると思います。

また、逆に言えば現場のヒヤリ・ハットを報告してもらい、それを改善する事で、医療や介護現場の人手不足が解消できるのではないかと考えています。

誰だってミスはしたくないですし、事故も避けたいです。

そのためには、このヒヤリ・ハットを有効に活用する事で職員の心理的負担も減るのではないでしょうか?

(それが回り回って患者さんや利用者さんにも良い影響が出てくると思います。)

また、病院や施設の悪い口コミは施設の経営を圧迫しかねません。

重大な事故を防ぐためにヒヤリ・ハットの報告を見直してみませんか?

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